トビタテ!留学JAPAN 二次審査(面接)レポート
もうすぐ、トビタテ!留学JAPANの第10期の二次審査があるということなので、わたしの経験をメモしてみます。
(※9期の時のものです。一部記憶があいまいな部分もあるのでご参考までに。)
はじめに、手短に自己紹介をします!:) わたしはトビタテ9期で、ガムランという伝統音楽と、影絵芝居のワヤン・クリッの人形使遣いの実技を本格的に学ぶべく、インドネシアのジャワ島で修行をしています。(日本の某芸術大学で音楽学を専攻する大学院生です。現在休学中。)ご興味ある方は本ブログの他の記事もぜひ読んでください。
それでは本題、トビタテの二次審査の詳細を見ていきましょう↓↓
審査の流れ
- 個人面接(20分)
- グループディスカッション(70分)(留学計画のプレゼンテーション含む)
- 懇親会(審査の対象にはなりませんが、色々な人と友達になれるのでオススメ!)
二次選考までにしたこと
①プレゼンテーションを作り込む!
書類審査では、何千字もの留学計画や自己PRを書いて提出しますが、プレゼンはそれをぎゅっと4分程度に圧縮しなければなりません。書類の量に対して4分はかなり短いので、ポイントを絞る必要があります。
プレゼンの作り方は、この記事の後ろの方にまとめました。
→ わたしからのアドバイスをチェックしてください
②とにかくプレゼンテーションを練習する
どのような人に対してプレゼンをするかは当日になるまでわからないので、色々な人をつかまえては、プレゼンをして、アドバイスをもらうようにしました。大学の友人はもちろん、トビタテ対策のワークショップに参加してみたり、直前になると二次審査を受ける人たちで練習会が開催されていたのでそれに参加してみたり…色々なところでプレゼンを練習する日々を送っていました。
③面接で聞かれることの情報収集
こちらは最初の個人面接に向けての対策ですが、過去の二次審査についての記事をネットで探し、そこに載せられていた個人面接の質問を、どんどんノートにメモしていきました。そして、それらに自分ならどう答えるかということを書いていきました。自分のことを改めて深く考える機会につながり、プレゼンに盛り込めることに気づくこともあるので、ぜひやってみてください。
服装や小道具
服装は自由なので、スーツの人もいましたが、私服の人がほとんどでした。何か自分の専門をアピールできるような格好があればそれをオススメします。わたしの時には、作業着の人やジャージ、民族衣装などを着ている人も見かけました。
道具がある人はそれを持っていくとさらにアピールしやすくなり、かつお守りになるのでぜひ持っていくとよいですよ。かく言うわたしはどうしたかと言えば、わたしの専門がジャワ島の音楽と影絵芝居だったので、民族衣装と影絵の人形、プレゼンを貼った大きなスケッチブックを持っていきました。
いざ文部科学省へ
地下鉄の虎ノ門駅から直結でわかりやすいところにありますが、会場には余裕を持って到着を。コンビニやカフェなどもあるので資料の最終確認もでき、安心です。会場のある階のロビーではたくさんのトビタテ候補生たちが受付を待っています。影絵の人形が入った大きなかばんを持ち、こんな格好だったこともあり、色々な人に声をかけられました。試験前に初対面の人と話して緊張が和らいだので、近くの人とお話ししてみるのもよいかもしれません。受付をして、ネームタグを受け取ると、いよいよ個人面接の会場へ。
個人面接
会場は確か講堂という名前の部屋だったのですが、大きな一つの部屋が何十枚もの白い板で区切られていて、たくさんの個人面接用ブースが作られていました。そこで、一斉に面接が開始されます。協賛企業の方との一対一での面接ということですが、わたしの相手は、40代くらいの優しそうなおじさまで、終始朗らかに話を聞いてくださいました。20分という時間の中で、わたしがどんなことを質問されたのか、覚えている範囲で挙げてみます。
・留学計画について3分程度で説明して。
(わたしはここでグループディスカッションで行うプレゼンをしました。)
・影絵の人形を見せて。これは何でできているの?
・なぜ音大を選んだの?
・なぜ音楽に熱中するようになったの?
・あなたが勉強しているジャワのガムランってどんな音楽?
・ジャワには何度も行っているようだけれど、そこまであなたを突き動かすものは何?
・帰国後の進路は?
・帰国後の活動を展開する基盤はあるの?
・日本やトビタテにあなたの留学での活動を還元するビジョンはある?
・受け入れ先は決まっているの?どんな大学?
・言葉は大丈夫なの?
・なぜトビタテに応募しようと思ったの?メリットは何だと思う?
・トビタテに落ちても留学に行く?(と言いかけたあと、「あなたの話を聞くと、結果がどうなっても、もう留学する気満々みたいですね…!」と言われました。)
ざっと、こんな感じでした。始まってしまえばあっという間だったように思います。少しマニアックなことを研究しているので、まずそれについて補足説明を求められました。また、わたし自身が過去にどんな経験をしたのか、またトビタテにどのくらいコミットする意欲があるのか、さらに、留学後、どのような将来を描いているのかということも問われました。
初対面かつ、自分の専門分野についての背景知識を持たない人に、留学に至った経緯や、自分の専門分野について、わかりやすく簡潔に話せるよう、話すことをある程度まとめておくとよさそうです。
わたしは、絶対留学したいという気持ちがあったので、(運よく面接官にも伝わったようです…!)留学したいという気持ちは何年も前からあったこと、また、言語を学んだり、何度も現地に足を運んだりなどして、長い間準備を続けてきたということをアピールしました。
緊張するかと思いますが、話すときは笑顔を心がけると、自分も面接官もお互いに雰囲気が和むので、より話しやすくなると思います。会場全体の雰囲気的にも、圧迫面接という感じではなかったので、心配する必要はないでしょう。
グループディスカッション
個人面接が終わると、ぞろぞろとエレベーターで食堂に移動し、グループディスカッションが始まります。1グループ5〜6人で、グループごとにテーブルがあり、そこに誘導されます。グループには一人ずつ面接官がつきます。(後で聞いたら日本学生支援機構の方だったそうです。)グループディスカッションの流れは以下のような感じでした。全体で70分ありました。
①{留学計画のプレゼン(4分)+面接官からの質問(2分)}×人数(5〜6人)
②学生同士の質疑応答(意見したりしてもよい。)(10〜15分くらい)
③ワークシートに記入(5分くらい)
④グループで「より良い留学にするために必要なことを3つまとめる」(20分くらい)
⑤面接官に「より良い留学にするために必要なこと3つ」をプレゼン(4分くらい)
⑥面接官からのフィードバック(3分くらい)
分数が途中あいまいですが…だいたいこんな感じでした。
わたしが受けた時、グループのメンバーは、同じ“芸術”というカテゴリーを専攻する人が集まりました。(絵画、デザイン、写真、バレエ、音楽)学年は学部3、4年生がほとんどで、院生はわたしともう一人だけでした。おそらく同じような分野の人が集まるように、グループを組んだのだと思われますが、それでもやっていることはお互い全く異なるので、「わかりやすく説明する」ことはここでも必須です。
① かなりの人数が同じ空間でプレゼンをすることになるので、周りがざわついていて、相手の話が少し聞き取りにくくなる印象を受けました。なので、できるだけ、大きな声でしっかり話すことと、逆に相手の話を注意深く聞くことも大切になりそうです。テーブルの上には大量のメモ用の白い紙とサインペンが置いてあるので、他の人のプレゼンは、メモを取りながら聞くようにすると、後でスムーズに活動できます。
わたしはプレゼンが直前まで4分に収まらず、苦労したのですが、いざ本番でやってみると、制限時間よりも20秒くらい速く終わってしまったという経験をしました。(「あと少しだけ時間が残っていますが、言い残したことはありますか?」と面接官に聞かれました…)
プレゼンでは、影絵芝居の人形を見せたのですが、それの印象が強すぎて、面接官からは
「人形を動かしてください!それって何でできているんですか?」
「もう何度も現地に行っているようですが、長期で留学する必要はありますか?」
ということしか質問されませんでした。2分は思っているよりもずっと短いです。
②学生同士の質疑応答も全員に対して15分程度なので、運よくわたしはほどんど質問されませんでした。(というか他の人に対する質問で時間がかかってしまっていた印象です。)何を聞かれたか忘れてしまったくらいです。話の口火を切る人がいるとスムーズだなと思ったので、できる人は率先してやってみてください。
③次に用意されたワークシートに記入します。制限時間のわりに書くところが多かったのと、説明がわかりにくという印象を受けました。ワークシートは、他の人の留学計画の良い点と、改善できそうな点をそれぞれ3つ記入した記憶があります。最後に回収されるのかと思っていたので、気合いを入れて書いた(けど微妙に書き終わらなかった)のですが、回収されなかったので、ワークシートは自分のメモ程度と思ってもよいのかもしれません。
④ワークシートをもとにグループディスカッションをして、グループとしての「より良い留学にするために必要なことを3つ」をまとめました。この時、
・司会
・タイムキーパー
・書記
あたりをする人がいるとスムーズだと思います。わたしはあまりバンバン意見を出せるタイプでも、その場を仕切ったりできるタイプでもなかったので、書記をやってみることにしました。白熱してくると残り時間が意識できなくなるので、タイムキーパーや、脱線した話を元に戻す司会的な役割も必要だと思います。
⑤最後に、グループで3つに絞った答えについて、面接官にプレゼンをします。この時は他の人が代表で説明してくれました。
⑥面接官のフィードバックを聞いて二次審査終了です。
同じグループになった人とは仲良くなることができ、試験後一緒に食事に行ったりしました。お互いに協力して試験を一緒に乗り切るという気持ちで臨むのがベストだと思います。
わたしからのアドバイス
①プレゼンテーション作りのポイント
最初に書いたことにこちらで補足してみます。プレゼンは作るというよりかは「作り込む!」というイメージで、より伝わりやすいプレゼンを目指して工夫していきましょう。
●内容の組み立て方を工夫しよう
トビタテは国家プロジェクトの一つなので、留学したいという意欲はもちろん、留学することで日本に何かを還元できることが期待されていると考えました。なので、「わたしが留学すると、将来日本にこんないいことがある」というメリットをアピールするというやり方を主軸にプレゼンを組み立てていきました。
日本の抱える問題→何が必要なのか→なぜわたしが立ち上がるのか→留学を通した学びによって問題を解決できる→具体的な留学計画→将来何が期待できるのか
というような流れで進めていきました。
一貫した話の筋がきちんと通っていることが大切です。
●専門用語はできるだけ使わない
プレゼンを聞く相手は、自分の専攻している分野を詳しく知らない人がほとんどです。わたしも音楽を専攻しているので、カタカナの専門用語を使うことが多く、プレゼンの練習を始めた頃は、何が何だか分かりにくい!という感想をよくもらっていました。専門用語を使う時は注意が必要です。場合によっては、別の分かりやすい単語に置き換えるなど、工夫しましょう。
(例)ジャワの影絵芝居は現地では「ワヤン・クリッ」と呼ばれます。プレゼンの時は分かりにくくなるので、カタカナは用いず、「影絵芝居」で統一しました。
工夫次第では、案外専門用語を並べなくても、自分のやりたいことをすっきり説明できてしまうかも…!
●資料を工夫しよう、スライドは見やすくしよう
前述の通り、専門用語が多い上、それらを限られた時間の中で説明をしなければならなかったので、ジャワ実際の写真や、楽器、影絵芝居の写真などを用いて、ビジュアルに頼る方法をとることにしました。写真があるだけで「こんな感じです!」とざっくり説明できてしまうので。これで、聞き手もイメージしやすくなったのではないかと思います。
また、発表の資料は、多くの人がパワーポイントのようなスライド形式の資料を使っています。PCを使うのもよいと思うのですが、故障が不安要素になるので、紙に印刷して紙芝居形式でやるのが一番楽だと思います。わたしは特大サイズのスケッチブックにPCで作ったスライドを貼りました。
スライドは見やすいフォントと背景を選ぶようにしました。
また、わたしはスライドの他に、スライドの内容を、写真も入れてA4の紙1枚にまとめたレジュメを用意し、個人面接とグループディスカッションの面接官、同じグループになった人たちに配りました。わたしのことを強く印象付けるのと、聞き慣れない話をできるだけ分かりやすく聞いてもらうためです。また、試験が終わった後も、資料が残れば、わたしのことや、ジャワの音楽のことを覚えていてもらえるかなと思ったからです。
●とにかく何度も練習しよう
中身の濃い留学計画を、4分にまとめるのは意外と大変です。わたし自身も、周りのトビタテ生も苦労していました。プレゼンがある程度かたちになったら、何度か練習すると話すことに慣れてきます。そうすることで、内容を大幅にカットしなくてもある程度時間短縮が可能です。
原稿を読むのはアリだと思います。(わたしはスライドの裏に原稿を貼っていました。)その合間に聞き手の方を見るようにすると、より相手に訴える効果が上がるので、原稿ばかりに気をとられないように注意しましょう。
●たくさんフィードバックをもらおう
何度も練習することとも関連しますが、できるだけ色々な背景を持った人にプレゼンを聞いてもらい、質問をしてもらったり、分かりにくかったことを指摘してもらったりすることがとても重要です。フィードバックを受けて、誰にでも分かりやすいプレゼンを目指して、改善を重ねていきましょう。ただ、アドバイスを全て反映しようとすると、自分らしさがあいまいになってしまったりもするので、見極めが必要です。
直前になると、トビタテ候補生同士の対策会が開かれているようなので、Facebook等で情報収集して、対策会に参加するとよいと思います。
②グループディスカッションは自分にできる役割を探そう!
発言したりするのはあまり得意ではないという人も少なからずいると思うので、わたしのように書記をしたり、タイムキーパーをするなど、何かしら自分にできる役割で、ディスカッションに参加しているということをアピールするとよいと思います。発言をたくさんしているかどうかよりも協調性があるかどうかというところが審査されているのかなという気がします。
③リラックスして臨もう
緊張するかと思いますが、二次審査は面接からグループディスカッションまで、終始穏やかな雰囲気だったので、あまり怖がる必要はないと思います。いつも通りの自分をアピールするつもりでいくとよいのではないでしょうか。周りの候補生と話してみたり、小道具やお守りを用意するのもおすすめです。
④懇親会に参加しよう!
試験後の懇親会は文理問わず多様な分野を専攻している人と知り合えるチャンスです。Facebookのアカウントなどを交換すると、その後も留学仲間がどんな活動をしているのかわかり、トビタテ生は面白い人たちばかりだなと日々感じています。刺激になるような情報をたくさん交換できるようになるので、ぜひ試験後の懇親会も楽しんできてください。
長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
月並みですが、留学は、好きなことを思いっきりできるので本当に楽しいです。トビタテの二次審査まで来たら、留学まであと一歩です。ぜひ、自信を持って試験に臨んでくださいね。何か気になることがあれば、コメントなどでおたずねください。
こちらではより気軽にジャワの様子を発信しているのでよかったらのぞいてください。こちらからもトビタテの書類や面接のことについて相談OKです!
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プレゼンに関しては、特に大好きなガムラン仲間のKさんにたくさんアドバイスをいただいたので、ここにあらためて感謝の意を表したいと思います。いつも本当にありがとうございます(^^)
今後も留学のことを発信していけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします♪